第5話

story1
37
2018/05/16 10:11
歩くこと約30分…。

何度も何度も道に迷ってようやく

目的地である


春ヶ丘学園に到着。
ここが、彼の通う学校。
なぜわかったかというと…



彼の着ていた制服。


この学校の制服は、

この学校のブランド品で特注の物で、

この学校の生徒以外は着ることができないから。
ガヤガヤー。
学校の校門前で彼が出てくるのを待っていると、たくさんの生徒で溢れかえってくる。
これじゃあ、どこにいるかわかんないよぉ
思わず目を細める。
高田 千鶴
…会いたいな
ひとり、呟く。

会って、何を話すとかそんなの決めてないけど。
とにかく、会いたいの。

会って、目を見て、

彼の声を、耳で聞いてみたい。

彼のすべてをこの体で感じてみたい。

大きく深呼吸して、


もう一度、息をのみ、


前を向いた。
??
おい!ひっついてくんな!離れろ
女子たち
やだぁ~
女子たち
ねぇ~うちらとデートしてよぉ
ヒビビッ!と電流が体中に流れた感じ。

今まで感じたことのない痛みが体全身に走った。
たくさんの女子たちに腕を捕まれ、

嫌そうに顔をひきつらせている男子生徒。
見つけた……



高田 千鶴
陽妃くん!!!
大声で彼の名前を呼ぶ。



ずっと、ずっと、



呼んでみたかった彼の名前を


今、初めて口にした。


それだけで嬉しくて顔がニヤケてくる。

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