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第1話

クリスマス・イブ 〜夢〜
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2017/12/05 13:31
忘れることは無い、一昨年の12月24日。
あの日、時間になっても君は来なかった。
日付が変わるまでずっと待っていたけど、君は来なかった。その後親に散々怒られたはずだけど、それすらよく覚えてない。どうして… それだけが頭の中を埋め尽くしていた。


まぶたを開く。またこの夢か…。
そう、君は来なかった。一昨年も、去年も。何度も『どうして?』と考えた。嫌われた事をしただろうか…と、不安になった。
でも、その年…いや、次の年か。の2月に僕は理由を知ってしまった。
『〇〇財閥のご令嬢が名門校に転校しました。なお、お住まいは変わらないそうです。』と、ニュースが流れた。ふと目をやると、写真が出ていた。


え…?

僕は言葉を失った。だって、それは毎年会っていた彼女だったから。

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