第3話

【詩】17歳の夏。 ※プリ画アリ※
38
2018/07/19 10:17
グラウンドの青い空に高く響いたあの乾いた音を
きっと僕はまだ忘れることはないだろう

次に勝つための悔しさとして…
また勝つための嬉しさとして…

この耳はまだ   覚えているのだろう




深く澄んだ空に白く丸い雲が重なったこの瞳が映した瞬間
頬を伝った汗に 溢れだす感情に 身震いしたのを確かに覚えている
あの感覚はもう戻りはしないけど 今もどこかでそっと息づいている


同じ誰かと過ごしても
同じ遊びを繰り返しても
たとえ、同じ想いを抱いた夜でも
あの日に戻ることも、同じ日が巡ることももうない

空ぶったバットを  何度だって振ってやろう
同じ失敗でもいいさ 重ねた数は消えたりはしないんだから

ラストステージ   どんな終わりでも最後の夏
帽子を深くかぶり直して   さぁ行こう























あの景色をカメラに収めても
あの音をレコーダに残せても
身体の内側をめまぐるしく走ったあの感情とか
嬉しさに震えたあの感覚は  
もう二度と”あの日”に帰してはくれないから…





プリ小説オーディオドラマ