終わりなんていつだって 突然なんだ
もうこれきりにしちゃうくせに
サヨナラ一つも云わせてくれなかったね…
ほんとは 知っていたんだろう…
終わりを君が教えてくれなかったのは
これきりになると知ったらきっと… サヨナラを云ったらきっと…
――――――…僕が、余計離れられなくなっちゃうこと。
これが最期だって知ったなら 離れようとはしないこと
これきりだって知ったなら サヨナラを口にはしないこと
だから君は 笑ってたんだろう…
また明日も会えそう、そんな笑顔で
サヨナラじゃなくて
「またね」を。
君は きっと知っていた。
これきりだって 知ったならたとえなんだって振り払って
失ったとして、傷つけたとしても 君を離そうとはしないこと
これが最後だって 知っていながら
サヨナラのひとことに詰めこんだ、すべての溢れそうな涙を隠し通して
それでも 笑った君の優しさ
そこまで 君に気づいてあげられなかった僕の …弱さ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。