今になって思う。
伝えとけばよかったかなって
そしたら、少しくらい私のことも考えてくれたかな?
でも、もう言えない。
いま、あの子とのしあわせでいっぱいの貴方は
きっと、私のこの想いに気付くことはないでしょう。
いま、勇気をもって伝えたとして、
それは優しい貴方を困らせてしまうだけでしょう。
もしも、今もまだこの胸に宿るかすかな期待が叶って
あなたが今私に振り向いたのなら
嬉しいのと同時に、きっと悲しくもなるでしょう。
私は、”一途に誰かを愛せる貴方”のことが好きだったから。
だから、まだ言わないの。
二人はどうか、私のこの想いを知らぬままで笑ってください
どれほど苦しくても、その現実で淡い希望を砕いてほしいのです
いつか、貴方に言うよ。
「貴方は私の初恋でした。
好きになる気持ちを教えてくれてありがとう。
私を、女の子にしてくれてありがとう」
そして、そのときはきっと貴方への想いが完全に失くなったとき。
私の側に、二人のように愛しあえる人ができたときに。 また
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。