悲しい顔しときゃなんか
誰か心配してくれやしないかなって
ただ独りぼっち抜け出したい君の作戦だね
誰も気づいているよ
だから余計そこに残されるのさ
君が泣いてたって笑ってたって
世界なんて大概無関心なのにさ
涙ばっか見せてたって損でしょ
どうせ晴れることのない悩みなら
…それなら、笑ってたほうがいいね!
君のその悲しそうな顔が皆遠ざけてるだけ
どうしたらいいんだろって誰も
近づけず傷つけないように距離を置くけど
君の笑顔が可愛いって気づかせられたら
みんなその笑顔に触れたくなるから
大丈夫だから
愛情とか 友情とか そんな、感情とか
曖昧で不確かな脆いものなんて 抱えるだけ先々
失うことばかり不安になるなら…
そうやって遠くから眺めてきたら その煌めきがよく分かったんだ
そして、空っぽな両手に気づいた
「 ああ… そうだった………避けてきたんだもんね」
愛されたいよ愛されたいなんてさ
愛されなくちゃいちゃあいけない理由だって
別にないんだよ?
愛なんて願って訪れるわけでもないんだし
どうせこの先だってわかんないんだし変わるかもだし
…そんなくらいの期待がいいね!
ちっちゃい期待のがいいって これ、秘密にしよう
その方が膨らませて行けるから
今はお弁当箱にしまってそっと持っておこう
僕だってだって変わらないよ
変わらない自分が嫌いで嫌いで変えたいと思ったこと
だからおそろいの震え抱えた君に歌おう
とりあえず笑ってみ な?
そこからすべては始まって行けるから…
優しい歌など、僕には歌えない。
あたたかな心など、持ち合わせてなどいないけれど。
"笑う"ってだけでこんなにも色づいた僕の日常は
少しずつ…
だけど、確かに変わりはじめているんだ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。