第65話

【詩】smile
8
2018/01/08 08:43
悲しい顔しときゃなんか
誰か心配してくれやしないかなって
ただ独りぼっち抜け出したい君の作戦だね
誰も気づいているよ
だから余計そこに残されるのさ

君が泣いてたって笑ってたって
世界なんて大概無関心なのにさ
涙ばっか見せてたって損でしょ
どうせ晴れることのない悩みなら

…それなら、笑ってたほうがいいね!

君のその悲しそうな顔が皆遠ざけてるだけ
どうしたらいいんだろって誰も
近づけず傷つけないように距離を置くけど
君の笑顔が可愛いって気づかせられたら
みんなその笑顔に触れたくなるから
大丈夫だから



愛情とか 友情とか そんな、感情とか
曖昧で不確かな脆いものなんて 抱えるだけ先々
失うことばかり不安になるなら…
そうやって遠くから眺めてきたら その煌めきがよく分かったんだ
そして、空っぽな両手に気づいた

「 ああ… そうだった………避けてきたんだもんね」

愛されたいよ愛されたいなんてさ
愛されなくちゃいちゃあいけない理由だって
別にないんだよ?
愛なんて願って訪れるわけでもないんだし
どうせこの先だってわかんないんだし変わるかもだし

…そんなくらいの期待がいいね!

ちっちゃい期待のがいいって これ、秘密にしよう
その方が膨らませて行けるから
今はお弁当箱にしまってそっと持っておこう



僕だってだって変わらないよ
変わらない自分が嫌いで嫌いで変えたいと思ったこと
だからおそろいの震え抱えた君に歌おう

とりあえず笑ってみ な?
そこからすべては始まって行けるから…



















優しい歌など、僕には歌えない。
あたたかな心など、持ち合わせてなどいないけれど。

"笑う"ってだけでこんなにも色づいた僕の日常は
少しずつ…
だけど、確かに変わりはじめているんだ…









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