第77話

【詩】貯金箱の中身は
21
2018/01/13 06:15
「大人なんて…」  「大人になったら…」


僕が抱いてたのはどっちだ?  なりたいのかなりたくないのか

……嫌がったって避けることはできなかったけど



好きなものが買えるんだ   誰にも文句は言わせない

今まではおこづかいでも胸の中がちょっくら傷んで  

「下手な使い方できないや  親が稼いでくれた大切な時間の代償だもの」

まあ、子どもながらにそこまで考えてなんてないけど

……やっぱり、どこかでは感じてたから

でも、今はもう違う

税金とか、支払とか義務までついてきちゃって「もう!」って言いたくもなるけどさ

……やっぱり、頑張った分が目に見えるのは嬉しいもんだね

どのくらい貯めていけるかな?



そんでいつかは素敵な家を買って、

その家にどんな愛おしい人と住むのかな…

玄関には3つの靴が並んでさ

きっと、キズを刻んだ柱が目立つようなあたたかいボロ家になるかもね






これはもうお金じゃないんだ






これからももっと積み立てていく





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