交わるはずのない二人が逢えたのは幻でしょうか
どこから違(たが)えたのか
もう理由を問うこともできないけれど
隣り在った日々を結晶にして この夜を見上げよう
さよなら朧月
貴女のくれた月の欠片をこの胸に秘めたまままた歩き出そう
欠けた部分は戻らないけれど
さよなら朧月
またひとりには戻るけれど どうにかやっていくから
貴女はずっとその美しい夜に浮かんでいてください
もしも淡い光の粒がその頬を流れ落ちたなら
この両の掌で救って空に返すよ
「いらぬ世話よ」と貴方は嗤うでしょう
笑ってくれたなら、いいでしょう
もう二度と交わらぬ
さよなら 優しき朧月よ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。