第101話

【詩】ただ、僕は歌が好き
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2018/03/03 17:19
今日も街中で流れる  雑踏を止めるほどの歌

どうしてこんなに鼓膜を震わせるのかな




胸の中から熱い何かがこみあげるような強い衝撃とか

言葉も追いつかない感情が溢れそうなこと


下手な歌なんて聞くに堪えないんでしょう

下手な歌なんてただの恥さらしでしょう

そんなのわかってるよ

でも、とめられない。

どんな夜だって声を押し殺して歌うよ


きっと、一日だって「歌うな」って言われたら僕は息が止まってしまうの

たった、一日歌を聴けない日があったなら、とてつもなく辛いかも

あんなに綺麗なことを  とても悲しそうなその目を   張り裂けそうなほどの嬉しさも

連なった音と重ねた声で  波紋のように伝えられたら



それができない……僕には。



優しい世界を見せてくれた貴方のように

楽しいことを教えてくれたあの人のように

思うように歌えたら、なんて幸せなんだろうな



もし七色の歌声があったなら

もしも泣きそうなほど綺麗な歌が歌えたなら

もう僕は何も望まないと胸を張れる


ただ、それほどに



僕は歌が好き

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