冷えきった手 揺れる灯りのもと
ふたりなのにひとつしか聴こえないよ
誰に問えばいいだろうか
あんなになんでも知りたがってたのに
それが君の頬に跡つけてたことにも気づけなかったよ
君のため 大切だから 心配なんだ
そんな言葉で君の首を括っていた
ただ おかえりって笑ってやればよかったよ
ただ 何も聞かずに抱きしめていたらよかったよ
何度だってやり直せばいいと思ってた
でも君が終わってしまったら次も何も無い
こんなことになるのなら
そんなこと今更思い知るから
こんなことになるのなら
もう ありがとうもごめんねも
届かない
さよならさえ
君が望んでたこと
それは、なにもなかった
最初から「傍にいてくれたらそれだけでいいよ」って
なんで忘れてたんだ
もう君はいないのに
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。