第118話

【詩】望
24
2019/08/17 06:34
冷えきった手    揺れる灯りのもと

ふたりなのにひとつしか聴こえないよ

誰に問えばいいだろうか


あんなになんでも知りたがってたのに

それが君の頬に跡つけてたことにも気づけなかったよ




君のため 大切だから 心配なんだ


そんな言葉で君の首を括っていた




ただ おかえりって笑ってやればよかったよ

ただ 何も聞かずに抱きしめていたらよかったよ





何度だってやり直せばいいと思ってた

でも君が終わってしまったら次も何も無い



こんなことになるのなら



そんなこと今更思い知るから


こんなことになるのなら


もう ありがとうもごめんねも



届かない




さよならさえ















君が望んでたこと


それは、なにもなかった

最初から「傍にいてくれたらそれだけでいいよ」って



なんで忘れてたんだ


もう君はいないのに

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