第23話

【詩】あのころのままの君へ
19
2017/12/14 13:28
君がいなくなってから    時間は早いものだね
気付けばもうほら…     一年近く経つんだね…

あのおやつ取り合ったことも    一緒に遊んだことも
なんでも器用にこなす君に    教わったことだって

ずいぶん昔のことみたいに      (遠く手が届かないのに…)
ずいぶん最近までそこにあった様に   (鮮明にここにあって…)

忘れてないんだ     …君を。


大人になる前に   呼吸を止めた君へ
志した夢のなかで   この世にサヨナラした君へ

君が繋ぐはずだった未来は   まだ置いてけぼりのままで
いなくなった君をずっと   …探しているよ

君がいなくなってから   進むのは無情な時間だけ
現状はなんにも変っちゃいないんだ
思い出だってそうだよ  まだ明日も笑った君が
またいつものように起きてくるのを
何も知らないふりして    …まだ、待っているよ。

19歳の生涯を   閉じた君へ
その先が紡がれてくことなんて  もうなくて…
19歳の変わらない笑顔のままで。

君よりずっと  小さかった背もやがて抜いてしまうだろう…。
君よりずっと  知らなかったことも知っていくだろう…
流れながら  僕らをさらっては
未来へ放り出してしまう時間(とき)が
やがては君の  19歳を  追い越して僕を  
『大人』にしちゃうだろう…。

変わらないまま…   このままで…いたいよ

君よりずっと  小さいままでもいい
そんな君に撫でてもらうのが  すきだった…

君よりずっと  知らないままでいい
そんな君にたくさん教えてもらうことが  だいすきだった

僕より前を歩いては手を引いてくれる君のその背中が


……すきだったんだ。

















僕より先にこの世界に出逢ったのに
僕より先にこの世界に別れを告げた君を追い越して

僕は  『大人』になってしまうんだなぁ…。。

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