誰かれ構わず噛みつくような人を見てきた
「近づくな」 そんな攻撃的な目を向けて
貴方はいったいどこで生きているのですか…?
「綺麗ごとは 嫌いだ」
「気休めは 役に立たない」
「他人は 所詮他人」
貴方の言うことを100%否定する気にはなれない
むしろ、同感すら覚えるけれど
貴方の言うことを100%肯定する気にはなれない
ダメな人はほんとにどこまでもダメな人だっているけど
ダメな人でもちゃんと立ち直れる人だっているし
優しい人はほんとにどこまでも優しい人だっているんだ
こんな僕じゃ遠く及ばないけどさ、そんな人もいるんだ
そんな世の中を絶対的な 悪 だと言うのなら
まだ”世の中捨てたもんじゃない”と思える僕に どうか答えを授けてほしい…
綺麗な世の中だとは思わない
「こんなに酷い現実が存在するのか」と疑ったこともある
だけど、
君らが吐き捨てるほど 醜い”だけ”だとは思わない
「こんなに優しい現実が存在するのか」
…そう、疑うくらいの 優しさも まだ捨てちゃいないだろう
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!