第44話

【歌詞】鏡コトバ
4
2017/12/28 17:10
悲しいときにはね  涙がでるんだね
嬉しいときにはね  笑顔になるんだ、と

信じたのは いつのこと…?
あの頃は信じて疑わなかったけど  今は信じていないみたい
あの日の秋  隣から君が何事もないように  奪われてからは
ほら、今なんだろう  涙の使いどころ
どうして…?  涙ひとつ流れやしない  感情が追いつかないの

ほんとに悲しいときには  泣けやしないみたい…
目の前の現実に立ちすくんで  感情さえも固まってゆく
「受け入れられないよ、嘘なんだろ…? なぁ…」 
震える肩を  独り  抱きしめて呟いては 泣きだしそうな顔で

――…また、笑っていたんだ。


それからは随分  強くなった気がしていた。
悲しいときにだって  泣けやしないなら

きっとこの先  涙はもういらないだろう
乾いた頬がもう  濡れることもないなら

いっそ捨ててやろうか  誰のためにだっていいから
泣いてあげるよ  そして不要(いらない)涙を 使い切らせてくれ…

夢を見た  泣けないよって呟く…
虚ろな僕は  夢うつつその狭間で  
懐かしい君に会える夢を見ていた
ぼやけた眠りのなか   君の口が動く  ささやいていた
「優しいその涙は いつかのためにちゃんと 
 
――…とっておいていてよ」

ほんとに嬉しいときは  泣いちゃうみたいだ…
それも溢れて止まらないくらいに
どれくらい泣いていなかったんだろう、 君が優しくそう笑うから
泣き笑いみたい  変な表情(かお)だって  構っちゃいられない
もう何もかも知るかって  抱きしめたぬくもり  君の匂いがして
もう一度  確かめる

ああ…ぬくもりがある、君の匂いがする  
ああ…君がいる、君といるよ  

泣きたいくらい”しあわせ”なんだ…


泣きたいくらい…  泣きたいくらい…  


―――…しあわせ なんだ




































嬉しいときに笑う?
哀しいときに泣く?

どっちでもいいけどさ、僕はおかしいのかな…?
逢いたかった君の幻想(ゆめ)をみて  
こんなにも嬉しいのに  涙がとまらない…

――――…とまらないんだ…。









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