第54話

【歌詞】哀唄
4
2017/12/31 16:08
『愛されたい』と少女  夢を見た
独りの刻(とき)はあまりに  長すぎて…

『愛されたい』と少女は  泣きだせなかった
叫び方をもう   忘れてしまった

孤独(ひとり)を感じてから   あの日見た空は遠くなった
抱いた夢も   募る想いも  …散り散りに風に乗って

………空の  彼方へ消えた


何を 誰を  今僕は  求めて  いるのだろう?
確かに  眩しく見えた空  曇って見えた――…






積もる想い  誰かに必死に手を伸ばして
空回り行為  想いだけ先走り焦る  繰り返し

続けば少女も  気付いてゆく
きっと  愛されることはない運命、と
いっそ  望まない心になれたらと  哀しい滴(いのり)  

………頬掠めて  流れていく

涙チル  桜のように…風に吹かれ
少し未来(さき)を  濡らす
まだ見えない 暗闇のなか  まだ夢ミル  …『愛してほしいです』



小さな声が  耳元で泣く
『愛されたい ただそれだけの願い』
泣けない少女  これきりと決めて  …唄を唄うよ



『愛してほしい』『愛をください』
声にならない想いを  叫ぶ
『愛してほしい』『愛をください』
手に取った詞(ことば)を  空に放つ

どうか  独りにしないでほしいんです

どうか  その証を僕にください

どうか  大切にしたい人の愛し方を…  愛され方を…


………教えては   くれませんか? 
































愛されたいのに、愛することは臆病な僕らだから…。
 きっと”愛しあえる”のはすごく勇気のいることなんだろう

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