第63話

【詩】そしたら、今日も
13
2018/01/07 13:36
※正式なタイトルは「そしたら、今日もイヤフォンをそっと耳に当てよう。」

です。タイトル入りきらず簡略化させていただきます。





       

「もう大っっっっ嫌い!!」




ああ………    ほんとだよ。

醜い自分が、嫌になる。

あの言葉を向けたかったのは君じゃないんだ、だってそれは僕への気持ち。

なのに、「ごめんね」の一言も言えなかったよ。

なのに、君の背中を追うこともできなかったよ。

自分を嫌うのは、何より苦しい。

もう何度も突き刺して血が溢れかえっている傷口に、

それでも何度もこの手が刃を突き立てるように

止められない。

憎しみをぶつけたいのは自分なのに、

”ごめん”の代わりに溢れる嫌な言葉

全部全部、僕へのぶつけてやりたい憎しみなのに

抱え込むのが苦しくて、優しい君に投げつけてしまう

だから、いつも怒ってるのに涙が出る

「とまれとまれ…!」って、それでも抑えられなくて。

散々暴言吐いて、息を切らした後に気付くのは虚しさだけ、なんて。



そしたら、今日もイヤフォンをそっと耳に当てよう。

許しを請うように、あなたの唄に耳を寄せるとね

とげとげしたこの思いごと包み込んでくれるようで………

僕の悪いとこちゃんと分かるよ 見えない涙を拭いてもらえたから

明日はちゃんと「ごめんね」っていうね













































いつも救われているんだよ

………貴方は、きっと知らないだろうけど。








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