第68話

【詩】涙の応援歌
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2018/01/08 08:53
誰かを応援しようなんて  甘すぎたようだよこんな僕には。


君が泣いていたら   絶対笑顔に変えてやろう…。

君が不安に溺れたら僕は  絶対救い上げてやろう

……なんて想像してた

嘘つきなの?僕は思い知った  ホントはなんもできやしないって…

ただひとり大切な君の  

たった二つの  頬つたう綺麗な線を   

晴らしてやることもできないんだもんな…。

できることってなんだろう…?   こんな君の為に。

泣き止まない泣き声を背に   足りない知恵を絞って  

考えてもみたんだけど

これくらいしか  思いつかなくて

――――――――――…ほんと、ごめんな…?




僕にできること   それは…   それは…唄うこと。

叫ぶこと   ありったけ  「泣いていいよ」

両手を広げて   僕はずっと待っているからさ

君は思い切り泣いていいよ 僕はそれ以上の大きな声で一緒に泣くから  

だから、こらえることなんてしなくてもいいよ…。


「おおげさなんだね、君って。でもありがと…」

涙浮かべた君が   …笑う。

「そんなに泣いてもらっちゃこっちが困るなぁ…?
だから、もう泣かないでおくね」

そういって君が  笑うから…   笑ってくれたから

嬉しくなって  どうしたもんかな?   瞼の上が熱くなる…

おもっきり広げた両手  たまらず君を抱きしめた

泣き顔のまま少し困ってみせた君を    

もう泣かせたりなんかしないから。



涙声で  震える声で   届けるよ







涙の応援歌。

























































涙を晴らしてやることなんてできないけど
せめて君より 大きく泣き叫ぶから…。

涙で  涙と寄り添えるかな…?







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