第106話

【詩】100点満点と僕
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2018/03/05 14:09
「ママ!満点とったよ!!」 
 
靴を頬ってリビング飛び込んで  すごいねって
頭を撫でてもらえるのが  すごい好きだったのにな…



今じゃ当然の顔で  「次もこの調子でね」って

鋭くくぎを刺すだけ



人より数倍物覚えの悪い僕は 人並みになれるように目指してきた。

それなのに

誰かが勝手に積み重ねてく理想に  何度も突き飛ばされる。

どんなに頑張ったところで 報われないこともある。

どんなに頑張ったって   結果にならないことがある。

それを知っているから   頑張ってきたっていうのにさ

少し点数が下がったら   

「どうしたの?今回手を抜いちゃった…?」って尋ねる先生

いつだって  全力でやってるのに…

いつだって  ちゃんとやってるよ…

いつもはそれがたまたま上手く結果になれてるだけ

それなのに、今回は結果になってないから「じゃあ怠けたんだね」

なんて、あんまりだよ…



100点満点以外じゃ  

             ぼくは見てもらえないのかい?

100点満点の用紙は  

         いったいぼくの何を知ってそんな値を評価する?

マルも嫌い  バツも嫌い  もう評価する赤色は見たくないや…



……ほんとはさ、

頭撫でてもらえるのも好きだったけど  

喜んでくれるその顔が一番好きでそれが見たくって頑張ってたんだよ














            …お母さん。

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