君がいなくなった夜から
どれくらいだ
どれくらい経ったかってどうだっていいや
君がいないことに変わりはない
なんで出会ったりなんかしたんだ
放っておいてくれりゃよかったんだ
優しさなど知らなければ
月が綺麗だなんてこと 知らずにいられたのに
君にとっちゃ
どうだっていい一人の脇役なんだろ
脇役ながらに役にたちたいと思ってたんだ
当て馬だって言われたって
君のヒーローになりたかった
君に幸せになって欲しい
それは違(たが)わないよ
だけどそれは
ぼくが幸せにしたかったのさ
当て馬でいいなんて
そんなの見栄っ張りだ
ほんとは気づいて欲しかったよ
この手を握り返して欲しかった
幸せな君の瞳には映るはずもない
歴史の向こうに葬られたぼくの影は
やがてこの言葉さえ塵となるだろう
届くことの無いまま
いっそ
静かな灰となって
君の上に祝福をもたらしますように
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。