岩陰に隠れ、1人でドキドキしていた
怖いよ…
みんなが意地悪してくるのも
ユウに嫌われるのも…
《メイ…!
そう呼んでもメイはいない
涙が止まらなかった
《誰か……ユウ!!
《ヒヨ!!!!!!
ユウ?
ついに幻聴か…
ユウが私を呼んでいる
《ヒヨ、どうしたんだよ
また声がした
次の瞬間
私の冷え切った肩に
ユウのあったかくて大きな手が
重なった
見上げるとユウがいた
《ユウ!!どうしてここに?私のこと嫌いじゃないの?
《なにいってんだよ…ミヨたちのしてること全部知ってるんだよ
そうしてユウはミヨたちの話をしてきた
夜部屋に行ったのは
ヒヨが呼んでるからと言われていたこと
寝てたのは無理やりでそこでずっとヒヨの悪口を聞かされていたこと
悪口も噂もユウは悪く受け止めてなかったこと…
誤解してたのは私の方だったのかな…
《さっきヨウタが、ヒヨが女子たちに砂かけられたり責められたりしてるって言ったから…
きたんだここに
ユウ…よかった…
嫌われてなかった
助けに来てくれた!
これってすごくいい雰囲気じゃない?!❤︎
《ほらヒヨ。向こうでハルやヨウタたちと遊ぼうぜ!
さすが幼馴染だろ!感謝してよな
《うん!ありがとう!!!
しかしユウの幼馴染という言葉で
私の恋はちっとも進歩してないと気づいた
がんばらないとな…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!