第2話

告白
52
2017/12/23 05:53
〈教室を出た美桜と紗綾は、バスケ部が部活をしている体育館に着く〉

【紗綾】やっぱり、バスケ部の練習見に来てる人多いね。

【美桜】うん…。

〈楓大は、中1の頃からとてもモテたが、バスケ部の次期部長に決まってから、今まで以上にモテるようになって、部活中、体育館は楓大を見に来た女子でいつもいっぱいだ。〉

【紗綾】あっ‼︎楓大いたよ!

〈 紗綾が指さした先を見ると、楓大がいた。〉

【美桜】あっ!ほんとだ。

〈頑張ってるな〜。今話しかけない方がいいかな?…あっ!(楓大と目があった。)あれ?楓大が私達
の方に歩いて来てる?〉

【楓大】どうした?部活見にくるなんて珍しいね。

【美桜】そ、そう?楓大に、ちょっと話があったから。

【楓大】何?

【美桜】あっ、いや、部活が終わってでいいから。

【楓大】分かった。じゃ校門集合でもいい?

【美桜】うん。分かった。

〈隣を見ると、紗綾がこっちを見てニヤニヤしている。〉

【美桜】何?

【紗綾】いやぁ〜(笑)やっぱり両思いでしょって思って。

【美桜】えっ〈美桜が赤く赤面する。〉

【紗綾】今日の放課後、楓大と2人で帰るんでしょ?

【美桜】多分…。

【紗綾】どうしたの?元気ないけど。

【美桜】また怖くなってきちゃった。

【紗綾】何で?

【美桜】告白してOKもらえたとしても、私と楓大ってつりあうのかなって思って。

【紗綾】大丈夫だよ!楓大はイケメンだし、美桜は美人だから、お似合いのカップルだよ‼︎

【美桜】そう?

【紗綾】そうだよ!

【美桜】そっか…。分かった!頑張って告白する!

【紗綾】その意気だよ!

〈そして部活終わり、校門で待っていると…〉

【楓大】お待たせ。ごめん、待った?

【美桜】ううん。大丈夫。

【楓大】良かった。

【美桜】…じゃ、帰ろっか。

〈私の家と楓大の家は、隣同士だ。でも、楓大はバスケ部の次期部長、私は生徒会の生徒会長で、
帰る時間が違うから、2年になって、一緒に帰ることができなくなっていた。〉

【美桜】こうやって2人で帰んの久しぶりだね。

【楓大】だな。なんか嬉しいな。

【美桜】私も。

【楓大】で、体育館で言ってた話って?

【美桜】あ、あのね?

【楓大】うん。

【桜】わ、わ。綿菓子って好き?

【楓大】は?いきなりどうした?

【美桜】いや。ごめん。

〈どうしよ。好きだって言えなかった。…あれ?紗綾からメールきてる。
「美桜大丈夫?告白できたかなって思ってメールしたんだ。どうだった?」
紗綾心配しててくれたんだ。メール返さなきゃ。
「好きだって言えなかったよ。どうしよう。」…あっ、メールきた。
「そっか。でも、絶対に楓大も美桜のことが好きだから、頑張って!応援してるから‼︎」
そっか。紗綾も応援してくれてるし、頑張って告白しよう!
「うん!頑張って告白してみる!応援してて!」〉

【楓大】美桜?大丈夫?

【美桜】え?あっ、うん!大丈夫だよ。

【楓大】そう?なら良かった!

【美桜】…楓大。

【楓大】ん?どうした?

【美桜】あのね?さっき言いたかったことなんだけどね?

【楓大】うん。

【美桜】本当は、私、楓大のことが、好きだって言いたかったの!

【楓大】あぁ。俺も好きだよ。

【美桜】え?本当?

【楓大】うん!美桜のことは本当に、友達として誰よりも大好きだよ!

【美桜】そうじゃない!私は、楓大のことが友達以上に好きだってこと!

【楓大】えっ。それって…!〈楓大が赤面する。〉美桜が、俺の彼女になりたいってこと?

【美桜】うん。〈うなずく。〉

【楓大】そっか。嬉しいよ。でも、今すぐ決めちゃったら、美桜のこと、なんか傷つけちゃいそうだ
から、よく考えてから返事してもいいか?

【美桜】うん。

【楓大】じゃあ…。クリスマスの日に、返事するよ。

【美桜】分かった。

〈気が付くと、もう私達の家の前だった。〉

【美桜】じゃあ、また明日…。

【楓大】おう。また明日な…。

ガチャ…。バ…タン。

〈この日は、クリスマスの、ちょうど一週間前だった。〉

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