〈昨日は疲れたな〜。6時間授業だったのに加えて、放課後に生徒会の会議があるし、しかもその会議
が、いつもは30分くらいなのに、昨日は約1時間あるし!そのせいで、昨日は楓大と帰れなかった
し!〉
〈と、そう思い、ため息をつきながら制服に着替えて、食事をし、美桜は、家を出た。〉
ガチャ…バ…タン。
【美桜】あ。
【楓大】あ。
【美桜】おはよう。
【楓大】おう。ハヨ。
【美桜】また朝っぱらからお腹空いてんの?
【楓大】いや、今日は眠い。昨日は、夜の12時過ぎまでゲームしてたから。
【美桜】はぁ〜?ったく。何してんのよ。(苦笑)
【楓大】だな。
〈こんな感じで、楓大と話していると、後ろから、誰かが走ってきた。〉
【 ? 】おはようございます!楓大先輩!
【楓大】お!ハヨ。
【美桜】楓大、この子、誰?
【楓大】あっ、美桜には言ってなかったな。この子は、うちのバスケ部のマネジャ。
【理音】初めまして。バスケ部のマネージャーをやっている、一年の理音(りおん)って言います!
【美桜】あぁ、バスケ部の。私は。
【理音】楓大先輩から聞いてます!幼馴染の、美桜先輩、ですよね?生徒会長の!
【美桜】あ、うん。よろしくね。
【理音】よろしくお願いします!キャー!生徒会長と話しちゃった〜!
【美桜】そんな嬉しいことなの?
【理音】そうですよ!
【美桜】ふーん。そうなんだ。
【楓大】あのさ〜。俺のこと忘れてない?
【美桜】あ。ごめん、忘れてた。
【理音】私も。
【楓大】おいー!
〈こうして、3人で笑いながら学校へ向かっていると、後ろから紗綾が走ってきた。〉
【紗綾】美桜、楓大、おはよ!
【美桜】紗綾、おはよう!
【楓大】おー、紗綾!ハヨ。
【紗綾】ん?その子は?
【美桜】あぁ。バスケ部のマネージャー。一年の理音ちゃん。
【理音】初めまして!
【紗綾】ふーん。よろしくね。
【理音】はい!よろしくお願いします!
【美桜】ふふっ。
【紗綾】美桜、どしたの?
【美桜】いや。初々しいなと思って。
【紗綾】確かに。
【楓大】だな。
【理音】そうですか?(照れながら。)
〈こんな感じで、4人で笑いながら、歩いていたら、いつの間にか、学校に着いていた。〉
【楓大】それじゃ、俺たちは、朝練あっから。
【美桜】うん。じゃあね。
【楓大】…
【美桜】…楓大?どうしたの?
【楓大】美桜、お前大丈夫か?
【美桜】大丈夫だよ?なんで?
【楓大】いや、顔色悪いから。
【美桜】そう?大丈夫だよ。
【楓大】そうか?ならいいけど…。
【美桜】じゃあね。また後でね。
【楓大】ああ。また後でな。
〈こうして、私達は分かれた。この時、みんな予想もしなかった。この後、あんなことやこん
なことが、次々とこの3人に降りかかるなんて…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。