〈今日は日曜日。楓大たちバスケ部の練習試合を見に行く日だ。〉
ガチャ…バ…タン。
【紗綾】美〜桜っ!
【美桜】紗綾!どしたの?
【紗綾】バスケ部の練習試合に行くんでしょ?私も行くよ!
【美桜】ほんと?ありがと。
【紗綾】それに、伝えたい事もあったし。
【美桜】伝えたい事?
【紗綾】いや、後ででいいよ。
【美桜】そう?
【紗綾】うん。じゃあ、行こっか。
【美桜】そうだね。
〈そして、2人は練習試合がある体育館へ着いた。〉
【美桜】今日は、相手校の人も、その人達を見に来てる人も来てるから、いつも以上に多いね。
【紗綾】そうだね。試合前に、楓大に会いに行こっか?
【美桜】そうだね。
〈ここは、花都中学校バスケ部の部室だ。〉
【美桜】楓大。
【楓大】おぉ。美桜と紗綾。来てくれたんだ。
【美桜】もちろん。幼馴染のこと、見に来ないわけないでしょ?
【楓大】もうすぐ始まるから、席に行って、見てて!
【美桜】うん。分かった!
〈そして、美桜と紗綾は、席へ戻った。〉
【紗綾】どっちが勝つと思う?
【美桜】楓大がいるチームでしょ!
【紗綾】あっ、始まるよ!
〈そして、試合が始まった。接戦だったが、楓大のいるチームが勝った。〉
【美桜】楓大。おめでと!
【楓大】ありがと!
【美桜】じゃあ、私達は帰るね。また後で。
【楓大】おう、また後でな。あと、用があるから、俺がお前ん家に行くよ。
【美桜】分かった。じゃあね。
【楓大】おう。
【紗綾とバスケ部員】ヒュ〜。
【美桜】何?
【楓大】何だよ。
【紗綾とバスケ部員】何でも〜?
【美桜】?まあいいけど。じゃあね。また後で。
【楓大】おう。後でな。
〈そして、私達は体育館を出た。〉
【美桜】紗綾、そういえば、朝言ってた伝えたいことって?
【紗綾】あ、あのね?噂で聞いたんだけど、バスケ部のマネージャーで理音って子いたでしょ?
【美桜】あぁ、いたね。その子がどうしたの?
【紗綾】あのね?あの子、楓大に告白したらしいんだ。
【美桜】え!?楓大に!?いつ?
【紗綾】おとといらしい。
【美桜】そうなんだ…。楓大、あの子と付き合うのかな?
【紗綾】そんなわけない!大丈夫だよ。噂だから。
【美桜】うん。ならいいんだけど…。
〈そして、私達は家へ帰った。この後、あんなことが起こるとも知らないで…。〉
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。