こんばんは
「私」今、高山美希といいます。
今ってどういう意味かって?それは今からお話しますよ
私の幼少期の話から。
私、生まれた頃から顔が無かったんです。
無かったって言っても、本当にないわけじゃありません。人に見えないだけ。
なんとなーく、私の顔に靄がかかっているような感じだったと両親は教えてくれました。
顔の無い子が生まれ、病院は大混乱。
顔の無い私はご近所さん、祖父母にさえ気持ち悪がられ、両親は頭を抱えました。
それでも両親が顔の無い私を愛してくれたのは、実は姉のお陰でした。
私の生まれる三年ほど前、5歳だった姉は横転したトラックに潰され、亡くなってしまいました。
その時姉の顔無残にも潰れてしまっていたそうです。
そして両親は顔のない私を姉の生まれ変わりだと考えたのです。
そして
当時4歳だった私は相変わらず顔が無く、外に出かける機会は皆無でした。
その時の事は何故か鮮明に覚えています。
その日も家にいた私はふとした拍子に姉の写真を見たのです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!