ある日母と買い物に行った帰り、私と母の横にトラックが停車しました。
そのトラックを見た瞬間、トラックが横に倒れ私を押しつぶす様が、走馬灯のように私の中を駆け巡りました。
その時私は気づいたのです。これは姉の記憶だと。
覚えの無い記憶はすべて姉のものだったのです。
私は何故か、その時初めて自分は姉に成り代わったのだと思いました。
姉が顔をくれたんじゃない。私が姉の顔を取ったんだ、姉の記憶と一緒に。私は姉になったんだ。
...そう思うようになったのです。
しかしこのことがあった後、特に何があるわけでもなく私は小学生になり、普通に暮らしていました。
そんな私が小学4年生の時、私の身体に異変が起こりました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。