第18話

目を覚ます
211
2018/02/22 11:03
ふと目を覚ますと、私は黒いベットに寝ていた


咄嗟に自分が今いるのはどこだ?
混乱するが痛む身体に記憶が蘇る。

今の私はサナ。
ここはサナの部屋。
身体はサナのお母さんに殴られたから痛む。





私は...██はもういない。

そう自分に言い聞かせる

身体は寝る前よりも熱を持ち、痛む気がする。
壁にぽつんと掛けられた時計を見る。

8時

それが午後を示しているのか、午前なのか
私にはわからなかった。


無造作に置かれたピンクのランドセルを
抱え、抱き締める。


どのくらいそうしていただろう。
10分くらいな気もするし1時間ぐらいな気もする。

キィ...

控えめな音を立てて部屋のドアが開かれる。

「早苗。入るよ。」
安藤さんの声じゃない。若い、男の人の声。

私はいっそう強くランドセルを抱き締め
身構える。

ひょこっとドアの隙間から顔を出したのは
ふわっとした茶髪の男の子だった。

「早苗、大丈夫?」

なんと言えばいいものかと私が黙っていると、彼は苦笑いした。

「そんなに兄ちゃんが嫌い?」






この人はサナのお兄さんだったのか。

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