第6話

衝撃
38
2017/12/13 11:11
夏休みが終わり、今日は始業式。

今年の夏休みも色々はっちゃけてしまった。

ルリと一緒にプールに行ったり、祭りに行ったり、それにお泊りも。

中学の友達とも集まれてすごく楽しい夏休みになった。

ひとつ寂しかったのは、夏休み一度も西山くんに会えなかったということ。

一回くらい偶然会えるかもしれないと期待したいのだが、現実はそう甘くなった。

始業式で西山くんを一瞬見たのだが、元気そうでなによりだ。

LINEもまだかすかに続けている。




ルリ「校長先生の話長かったね〜。」

あなた「安定に長かったよ。よくあんな暑いところで喋れるよね。」


始業式の愚痴を言いながら教室に戻る私達。

そんな私達の目の前に急にミカちゃんが現れた。


あなた「ミカちゃん!どうしたの?」

ミカ「ちょっとあなたちゃんに話したいことがあるんだけど、ホームルームが終わった後私のところに来てくれない?」

夏休み前、ハヤトが言っていたことが頭をよぎった。

もしかしたら、そのことに関係しているのかもしれない。


あなた「分かった。私も聞きたいことがあるから。」


ミカ「じゃあまた後でね。」


そのままミカちゃんは教室へ戻って行った。

心臓がバクバクしている。


ルリ「なんか、嫌な雰囲気がするんだけど大丈夫?」


あなた「大丈夫だよ!西山くんの新情報を教えてくれるのかも。話が長くなるかもしれないから先帰ってて。」


ルリ「…分かった。」


ルリはあまり納得している様子ではなかった。

にしても、ルリの勘はすごい。

私も不安で胸がいっぱいだ。

そして、ホームルームが終わった。

私は何も持たずに、ミカちゃんのところへ行った。

ミカちゃんは『他の人に聞かれると困るから。』と言って、隣の誰もいない教室に移動した。


あなた「それで話って…。」


ミカ「私、シュンと付き合うことになったの。」


私はミカちゃんから出てきた言葉を理解するのに、時間がかかった。


ミカ「あなたちゃんを応援するなんて言っておきながらごめんね。
実は私もシュンが好きだったんだ。」


あなた「それって本当なの?」


ミカ「嘘ついてどうするの?それに告白したのはシュンのほうからだし。」

もう、十分に切り裂かれた私の心にとどめを刺す言葉だった。

私は言い返す言葉も考えられず、ただその場に立ち尽くしているだけしかできない。


ミカ「本当にごめんね。話したいことってこれだけだったんだ。じゃあまた明日ね。」


あなた「…うん。バイバイ。」


ミカちゃんが教室から出た後、私の目からは大粒の涙が溢れ出した。

その涙はどうやっても止められず、他の人に気づかれないように静かにその場で泣いた。



あらから何分経っただろうか。

目はパンパンに腫れている。

ルリ「あなた!!こんなところでどうしたの!?何があったの?」

帰ったはずのルリが目の前にいた。

あなた「な、んで?」


ルリ「あんな雰囲気であなたをほって帰れるわけないでしょ!」


あなた「ルリ〜!!」


私の目からは再び大粒の涙が出ていた。

でも、この涙は悲しい涙じゃなくて、嬉しい涙だ。

その後もルリはずっと涙声で聞きにくい私の話を必死に聞いてくれた。


ルリ「まあ、これでも飲んで落ち着きな。」


そう言って、冷たいジュースをくれた。

冷たくて気持ちいい。


ルリ「それで、西山くんのことは諦めるの?」


あなた「諦めるしかないよね。ルリはどう思う?」


ルリ「あなたの思ったようにすればいいよ。それが正しいと思うよ。」


ルリの言葉いつも私のことを思ってくれていると感じる。

本当にルリと友達でよかった。

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