第7話

諦め
40
2017/12/13 11:37
それから私は西山くんとのLINEを終わらせた。

始めるのは難しかったが、終わらせるのは簡単だった。

数学で目が合うことも、同じ電車に乗ることも無くなった。

ミカちゃんは、あの日から西山くんとの密着が多くなった。

部活も一緒だし、尚更だ。


ハヤト「おい、あなたシュンのことは諦めたのか?もしかしてフラれたのか?」


本当にハヤトは女心が分かってない。

黙ってればモテるのに。


あなた「黙ってて。」


ハヤト「俺がいるだろ。」



あなた「今、ハヤトの冗談に構ってる余裕ないの。」


ハヤトの前から立ち去ろうとすると、腕を掴ま
れた。


ハヤト「冗談じゃないって言ったら?あなたが好きだって言ったらどうする?」


ハヤトの目から目が離せなかった。

ハヤトが真っ直ぐと私を見てるから。


あなた「本気で言ってるの?」


ハヤト「俺はいつでも本気だけど。」


私の腕を掴む力が緩まった。


ハヤト「返事はいつでもいいから。悪かったな。こんなタイミングで言っちまって。」


ハヤトは笑いながら頭をかいた。

でも分かってる。

そんな軽々しい気持ちじゃないってことくらい。


あなた「待って。今言うよ。」


ハヤト「え?」


あなた「返事、今言う。」


ハヤト「いいよ。いい返事じゃない気がするし。」


下を向いていた私はもう一度、真っ直ぐとハヤトの目を見た。

ハヤトが私の目を離せなくなるくらい。


あなた「ごめん。ハヤトの気持ちにはこたえられない。」


ハヤト「うん。知ってる。まだ忘れらんないだろ?」


私は静かに頷いた。


ハヤト「悪いけど、お前の友達は何があっても辞めねぇから。なんかあったらいつでも頼れよ。」


あなた「ありがとう。」


私の周りにはこんなにも素晴らしい人ばっかりだ。









プリ小説オーディオドラマ