「成亮ー!」
『何でしょうか?』
「車出してくれない?」
『分かりました。目的地はどうなさいますか?』
「ん〜。日本で1番でっかい水族館!」
『かしこまりました』
「あっあと、貴と手越も乗るから」
『…かしこまりました』
3時間後─
「成亮まだー?」
『もうすぐです』
『もうすぐってどれくらいーー』
『3時間って長すぎ!!』
『着きました』
『「でっか!!!」』
『こちら、日本で1番でっかい水族館でございます』
『成亮すげぇ』
「行こう!」
『ちょ、愛梨待って!』
「2人ともはーやーくー!!」
俺は執事。お嬢様の隣に居れるだけで幸せだ。個人的な感情を持ってはダメだ
そう自分に言い聞かせることしかできなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!