前の話
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「好きですっ!付き合ってください。」
私は勇気を出して告白した。
彼との出会いは約2年前……
私がいた吹奏楽部に入ってきた。そして、同じパートになった。
入ってきた時、彼は全然笑わなくて、私は
「合わないな」と思った。
でも、彼を笑わせたいと思った。
私は彼を笑わせる努力をした。毎日笑顔で話しかけ、1日の面白い話をたくさんした。
すると、笑ってくれた。
私はこの笑顔に惚れたのだ。
そして約2年が過ぎ…
私と彼は部活内でも有名なほど仲良くなった。いつも一緒にいて、いつも話して、いつも笑うようになった。
そんなある日、部活友達と恋バナをした。
「あんた、〇〇のこと好きでしょ」
と言われた……
図星だ。でも、後輩のことが好きなんて先輩としていけないと思った。だから「違う」と言った。
振り返ると彼がいた。やらかしたと思った。
笑って立ち去る彼を追いかけた。そして、今に至る。
告白して、彼の返事は「ごめんなさい」
私は笑った。ただ、ひたすらに笑った。
笑うだけが取り柄だから。
それから4ヵ月後……
私は高校生になった。
でも、彼を忘れることはできずにいた。
「プルルル プルルル」
携帯がなった。友達からだった。
内容は彼のことだった。
友達によれば、彼は私の高校受験を邪魔したくなかったそうだ。そして、年下だということをとても気にしていたらしい。
最後に、彼と私は両思いだった。
もちろん、私は彼に会いに行った。
そしてもう一度告白した。次は彼の受験だから私も邪魔したくなかった。だから私は、
「あなたが好きです。ずっと待ってます。」
と言った。彼は「僕も好きです。」と言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。