第7話

俺のクラスメイトがサンタだった件について
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2017/12/11 10:02
あれは夢だったのだろうか。

朝起きたら、ベッドの上だった。

いつもと変わらぬ朝に確信が持てず、
急いで確かめたく学校へと急ぎ足で向かう。

教室に入り、真っ先に向かったのは勿論楓の前だった。
蒼太
あ、おはよ。
あのさ、昨日の夢じゃないよな?
お前がサンタなの…
その蒼太の発言に周囲は騒めく。
ついに、幻影でもみたのか。
夢の話をしているのか。
周囲がヒソヒソと話しだす。

そこへアヤがひょっこりとやってきた。
アヤ
なあに?どしたの?
ついに頭おかしくなった?
自分で昨日あれだけ否定してたじゃん
蒼太
そうだけど…
でも、コイツ…、
楓がサンタだったんだよ
なあ?っと楓に同意を求めると、
ふふっ
サンタさん信じてるなんて、可愛いですね!
私が夢に出てきたのは恥ずかしいですけど…
楓は恥ずかしそうに目線を下にして微笑む。
蒼太
え?
アヤ
やっぱり夢じゃん!
どうしたの?
やっぱりなんか蒼太おかしくない?
やはり、夢だったのか。
あまりのショックにポーッとしていると、
ケイタ
おー、蒼太
おはよー
蒼太
あ!ケイタ!
お前昨日の夜中の女誰だよ!
アヤと別れたの?
あんな所でチューなんてしてんなよー
最後の頼みの綱だと言わんばかりに、
これが本当であってくれと思い勢いよく捲したてる。
アヤ
は?だれ?その女?
まだ別れてないけど…?
ケイタ
え?なんで…
いや違うよ!見間違いだよ蒼太の!
な?な?
ケイタは慌てて蒼太に助け船を求めるが、
蒼太はやはり夢だったのかもと思い、
2人を背にトボトボと席に着く。
蒼太
はあ…
蒼太はため息を吐いた。
折角来年も楽しみが見つかったというのに打ち砕かれた悲しみに暮れていた。



そしてふとポケットに手を入れると
カサッと何かが手に触れた。
蒼太
あれ?これって…


その正体が分かった蒼太はハッとして、
勢いよく楓の方に振り返った。




楓は人差し指を口に持っていき、
ニッコリと微笑んだ。

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