カルマに貸してもらったシャワーを浴び、浴室を出ると、シンプルなTシャツとズボンが置いてあった
『...あったかい...』
着るとカルマの温もりが伝わって来て、とても暖かかった
再びリビングに戻ると、カルマが座ってコーヒーを飲みながら読書をしていた
『...カルマ?』
声をかけると、こちらに気づいたのか、目線を上げ、本を閉じた
業「出たんだ。ココアあるよ」
そう言って、電子レンジからマグカップを取り出す
『ありがと』
マグカップの正面の椅子に座る
お互いに飲むと、沈黙が訪れる
『...元気?最近どう?』
私には耐えられないほど、辛かった
業「...俺?うーん、まぁまぁかな~...あなたは?」
『私?元気だよ!』
持ち前の明るさで、互いに笑顔を取り戻す
業「ははっ、あなたは変わんないね」
そう言ってクスッと笑った
『なんか複雑~』
お互いに笑い合う
素っ気なかったかもしれないけど...
君が笑ってくれて嬉しかったよ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。