『...大丈夫。この話聞けてよかったよ』
私がそう言うと、カルマは不思議そうにに聞いてきた
業「...なんで?」
抱きついているカルマの肩に手を置いて引き剥がし、しっかりと目を見る
カルマの目元は赤くなっていて、泣きはらしたようだった
私はポケットに手を入れ、箱をカルマの前に出した
『...これ、5年前に渡そうと思ったんだけど、気まずくなっちゃって...』
業「え?」
『カルマ、"15歳の"お誕生日おめでとう...!』
業「え...あぁ、あれってクリスマスイブだったんだ...」
『うん、どうしようか迷ってたら5年も立っちゃった』
業「ごめんね...開けてもいい?」
『うん!』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。