第6話

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2017/12/13 13:56
あなた

ええっと、このクリスマスケーキをください

店員
かしこまりました

ケーキを受け取ったあと、ひとり分のチキンとシャンパンも買った。


時刻は4時半。


まだ時間にゆとりがある。


そこで、あることを思い出した。

あなた

(あ、行きつけのジュエリーショップへ行ってみようかな)



少し前に来たとき、クリスマス限定のネックレスが発売されているのを見かけた。


繊細なハートの形をかたどっており、シンプルだけど胸元のアクセントになってかわいいなぁとおもった。


エスカレーターで3階へ、すぐにジュエリーショップが見えてきた。


お店には、数人のカップル。

楽しそうに品物を選んでいる。


あなた

(まだ、あるかな。結構高かったけど、ボーナスも入ったしあったら買おうっかな)


ちょっとワクワクしながら、ショーケースの中を覗いた。
あなた

(あ……)


しばらく立ち尽くす。


以前、展示されていた場所にネックレスはなかった。


その代わりに、sold outと書かれた小さな紙が置かれていた。

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