第13話

*13*
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2017/12/13 14:03
幸人
もしもし〜、うまいご馳走でも食べてるかー?


いつもの明るい声。

彼の声を聞いて、余計涙がこぼれる。


あなた

幸人ぉ……〜〜

幸人
え、え、あなた?
あなた

う、……ぅ、く……ひっく

幸人
も、もしかして泣いてんの?


明るい口調から一転して不安そうな声色に変わる。

電話の向こう側でとても心配しているのがわかった。

それでも、溢れる感情は止まらない。

あなた

ゆ、ゆきとぉ……逢いたい……

幸人
え……
あなた

こんな、こと……言って……ごめん。でも……逢いたい、の……ひとりのクリスマスは……やっぱり……





遠距離恋愛になるまでの2年間、わたしたちはほとんど毎日いっしょだった。


いつも手を繋いでデートした。

場所はどこでもよかった。

いっしょにいられるだけで、幸福だった。

お互い帰ってからも、電話で眠る直前まで話した。


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