ガラガラと音をたててドアをあけた学年主任。
あなたをみるなりこう叫んだ。
「あなた、如月先生、あなたのご両親が事故に逢ったって、、警察から電話、○○大学付属病院にいまいるって、、」
空気が凍りつく。
泣きじゃくっていたあなたが学年主任の言葉に席をたった。
「っ…、嘘………」
状況をようやく理解したあなたが床に倒れこんだ。
床に崩れ落ちる寸前で如月先生が抱き止めた。
「大丈夫!?あなた、、、」
「おっ、おいっ!!」
「ああ先生、あなたは私が見ておきますからお兄さんに連絡してあげてください。」
「あ、ああ、じゃあ如月先生、お願いします。」
学年主任があなたの兄に連絡しに行ってもあなたの意識は戻らなかった。
少しして意識がもどったあなたを如月先生が抱きしめた。
「あなた、大丈夫だよ。絶対何て言えないけど大丈夫だよ。」
「うん、、でも、わかんないよ、、先生、、」
「お兄さんに連絡してるからもう少し待ってて」
「お兄ちゃん、、、、あぁ、、」
何をいっても心がどこかにいってしまったようなあなた。
やがて学年主任が戻ってきてあなたは如月先生と病院にいる両親のもとへ向かうことになった。
兄は勤めている学校から直接向かう、ということだった。
「お母さんたちが死ぬくらいなら私が死ねば良いのに。」
あなたの独り言に如月先生はなんと返せば良いのかわからず、聞こえないふりをしていた。
少しして如月先生の口から出た言葉、
「大丈夫、あなたは一人じゃないから__」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!