@そらちぃsideーーーーーーーーーーーーー
順番は、もう俺に回ってきていたみたいだ。
あなた以外の奴らが、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
あなたが驚いた顔を見せる。
相変わらず期待の目を向けられている俺。
えいちゃんが微笑しながら言う。
っ。クソ〜
ここは言うべきなのか…?
あなたが揺れ始める。
これは…言うしかないのか?
あなたの目がキラキラとしている。
どうしたらいいんだ。
素っ気なく聞こえたえいちゃんの声。
俺は大きく深呼吸をした。
期待の目が少し怖い。
もう一度、心を落ち着かせて。
よしっ。
当然のようにあなたは、慌てた顔を見せる。
そして徐々に、頬が赤く染まっていく。
と思ったら、静かに1粒の涙を流した。
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あれ、私なんで泣いてんだろ…
1粒でたら、もう止まらなくって。
気を利かせたのか、気づいたらツリメとエイジとリクヲはいなくなっていた。
そらちぃが謝ってる。
なんで?“違うよ”って言わなきゃ。
上手く口にすることはできない。
ニッとした優しい笑顔で覗き込むそらちぃ。
整った顔で、
綺麗な瞳で、こちらを見ている。
そらちぃは、少し悲しそうな顔をする。
そらちぃの大きな手で私の頭が撫でられる。
なぜか。
とても、幸せな気分だった。
神様?
私は、
死ななくてはならない運命だったの?
どうして私なの?
生き返れると言われたら、どんな嬉しいことでも楽しいことでも投げ出せただろうに。
だからかな?
私は、幽霊になっても。
弱いまんま。
すぐ泣いちゃうし、
すぐ怒って、
可愛げのない女の子。
でも、幽霊という姿でも、
こうやって私を、
優しく包み込んでくれる人がいて。
暖かい場所に、いさせてくれる。
私を、
幸せ者と呼んでいいの?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!