はじめの腕にギュッと力が入る。
私の顔は、はじめの体に埋まってる。
は、恥ずかしい…
ジタバタと手足を動かすも、余計にはじめの力が強くなる。
今の状態では恥ずかしいので、おろしていた手をそっとはじめの腰に回す。
私は、ギュッとしていた手を素早く戻した。
わざと、塩対応で返すもはじめには効かない様子。
急にはじめは、気分が良くなった。
外に出ると、冷たい風が私を襲う。
そして、風のせいか一瞬冷静になった私がいた。
いつのまにか私とはじめは、恋人のような仲になってるし…。
まだ別に、はじめだけが好きって決まったわけじゃないのに。
こんな行為をするのって、なんかすごく悪い気がした。
そして私とはじめは、車に乗り出発した。
冷静に今日あったことを、思い出してみる。
今日の雨が降ってた朝。
シルクに啄むようなキスをされたこと。
会場探索をしてる時。
やんちゃな、
そらちぃ
ツリメ
エイジ
リクヲのアバンティーズ4人に出会って、元気と笑顔をもらったこと。
会場で、じんたんとテオくんに会った時。
じんたんに告白され、
挙げ句の果てにキスまでされ、
自分の心が揺れ動いたこと。
自分の気持ちが分からなかった時。
ポッキーくんとみやゆうくんに会って、慰めてもらったこと。
気にしてなかったけど。
ポッキーくんのさりげなく、不器用な優しさがあったこと。
さっき。
はじめの1日の疲れを、抱きしめて癒してあげたこと。
とりあえず今日は、わちゃわちゃした1日だったな…。
と改めて思った。
そして私は、はじめの鼻歌を聴きながらゆっくりと眠りについた。
ポッキーくんのコートを抱いたまま。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。