第13話

4段目に。
1,938
2017/12/24 06:07
じんたん目線
【AM 08:20】起床
じんたん
っ………
目が覚めた。

ここは…
スカイハウス、か。

頭が痛い。
しかも体が重い。
昨日の記憶が…

ない。

覚えているのは卵焼きを作って動画を撮り終わったことぐらいだ。
…テオくん起きてるかな?
ガチャ



ドアを開けると
テオくんはソファーに座って
スマホをいじっていた。
じんたん
おはよ
テオくん
!?
お、おはよう
なぜかめちゃくちゃビビってた。

少し様子がおかしい。
じんたん
どうしたの?
テオくん
いや………
昨日のこと、覚えてない?
じんたん
ん~
覚えてない
テオくん
そっか…ならいいや
じんたん
え、なにがだよ
テオくん
別に
そう言ってテオくんは
またスマホをいじりはじめた。
完全になにかを隠している。

無理矢理にでも探ってみよう。
じんたん
昨日なにがあったの?
テオくん
思い出さなくていいこと
スマホの画面に視線を落としたまま答えた。
じんたん
めっちゃ気になるじゃん!
隠し事しないでよ
テオくん
……
テオくんはスマホから視線をあげて
俺のことをチラッと見た。

どこか寂しげでなにかを訴えているような目だった。
じんたん
………俺にとって悪いこと?
テオくん
まぁ、ね
俺にとっては…良かったというか……
じんたん
ふーん
これ以上聞き出せるような気がしなかった。

俺はスカイハウスを探索することにした。
【じんの部屋】

大体のものは俺の家に移動させたから
とくに何もなくて
殺風景だった。

クローゼットの中もほぼなにも入っていなかった。
【リビング】

いつもは散らかっているのにも関わらず
今日は床に物が落ちていなかった。

昨日の動画に使ったアイマスクが
隠されるようにして置いてあった。
【テオくんの部屋】

気付かれないように
テオくんがトイレに行く時を狙って入った。

こっちにも家具はほぼなかった。
けれど探し甲斐はありそうだ。

引き出しがあったから
片っ端から開けていこうと思った。

1段

2段

3段…

4段目を開けようとしたところで
テオくんが部屋に入ってきた。
テオくん
ちょ、じんたんなにやってんの!?
じんたん
えぇっ、と……別に?
テオくん
俺の部屋漁んのやめてくんない?
じんたん
ご、ごめん
少し機嫌が悪かった。

俺はテオくんの部屋から出て
きちんとドアを閉めた。
【キッチン】

昨日食べたものと言えば
卵焼きぐらいだ。

2日連続で全然食べていないな…。

流し台を見てみると
動画で使ったコップが置いてあった。
コップの中には水が入っている。

確か俺は1問目と3問目が分からなかった。
1問目と3問目…これか?

1問目の水は特に何の変哲もない水…に見える。

3問目は白く濁っていた。
匂いは少しつんとしていてどこかで嗅いだことがあるような気がした。

テオくんは俺になにを飲ませたんだ……?
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今日は動画を撮らなかった。
テオくんの機嫌が治るまでそっとしておこうと思った。

だが、まだテオくんの部屋を探索しきれていない。
気になる。
テオくんが部屋から出てきた。

そしてトイレの方向へ向かった。


『今だ。』


ドアを音を立てずに開けて
すぐに引き出しの4段目を開けた。

































じんたん
っ………これ、媚薬…?

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