テオくん目線
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あいつに…気づかれてた……?
それは予想のできないことであった。
(今度こそ…嫌われたな………)
胸の奥が
ぎゅっと締めつけられる感覚に襲われる。
笑おうとしたのに
顔は引きつってしまった。
俺はいつの間にか泣き出していた。
ボロボロと流れ落ちる涙が
顔を伝って床にポタリと落ちた。
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『あぁ、このまま、
"あいつ"に伝えたかった…
"じんたん"に伝えたかったことが、
涙と共に流れてくれればいいのに………』
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………
じんたんは自分の胸に手を置いて
悲しげに笑った。
(じんたんそんなこと思って………)
俺はじんたんをどかして
上半身を起こした。
そして今までで1番強く抱きしめた。
じんたんは
嬉しさと痛さの感情を表しきれないようで
しかめっ面をした。
そして腕を解いて
面と向かって言ってやった。
END.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。