バンッ…!!!
誰も居なかった。
解説部屋は薄暗く汚い。
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その頃二人は………
ギシッ…ギシッ…
(テオくんがなにかを持ってくる)
ヴヴヴ……
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ガチャッ…
テオくんは軽く謝ってきた。
じんたんはテオくんの後ろにくっ付いていた。
すこし縮こまっているような…
【第10話 それはデジャヴ。】
『テオくんに押し倒されていた。』
少しの沈黙が漂う。
じんたんを見てみると
少し息が荒くなっていて
足が微かに震えていた。
声も震えている。
様子がおかしい…。
じんたんはテオくんの方を振り返って
少し怒ったように声を荒らげた。
安堵の声を出した。
なにかあるのだろうか?
カチッ
じんたんの体がビクリと跳ねた。
そして口を抑えて声が出ないようにしている。
じんたんがおかしいのにも関わらず
テオくんは笑顔で続けた。
カチッ
今度は机に突っ伏した。
(解説部屋には机があるよ!)
足がガクガクと震えている。
小声で喘いでいるのが聞こえた。
カチッ
じんたんはなにかに解放されたかのように
へなへなとその場に座り込んだ。
そう言うとテオくんは
じんたんの肩に腕を回して
支えながら部屋から出ていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。