第2話

「どこが天使だ」
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2017/12/11 13:46
ガラっという音と共に、私達3人は教室に入った。
すると、黄色い歓声がこちらに向かれているのに気づいた。
モブ女子①
まって、やば、あのジョンハン君とジス君と同じクラス!?!
モブ女子②
やばいやばい!!!めっちゃかっこいい〜〜!!!!
モブ女子③
本当に天使みたい、、、、彼女狙っちゃおっかな!
と、女子達がジョンハンとジスを見てこそこそと話している。
ジスは性格もかっこいいし、優しいし、顔も整ってるから、天使っていうのは分かるけど、、。
優しさの欠片もないし(言いすぎた←)冷たい性格のジョンハンのどこが天使なのか。
まぁ顔は整ってて、俗に言うイケメン、ってやつなんだろうけど。
幼稚園の頃からずっと一緒の私からしたらただの悪魔でしかない、、。

そう、この悪魔と出会ったのは、私が積み木で遊んでいた時だったっけ…。
ジョンハン(幼少期)
なにつくってんのー?
私(幼少期)
んっとね〜!おしろ!!おひめさまとおうじさまがくらしているおしろ!!
そう言った瞬間、そのお城を真顔のジョンハンがバラバラに壊した。

悪意はなかったんだろうけど、
幼少期の私はその時、「こいつやべえ」って何かを悟ったのを覚えている。
それからは毎日が地獄だった。
相変わらず積み木は壊されるし、お絵描きの邪魔はされるし、かけっこでわざと転ばされるし。

小学校の頃は、変わらずしょっちゅうちょっかい出されたり髪をボサボサにされたり、、と
でもある時、私がジョンハンのことが好きな女子達に軽いいじめみたいなのをされた時は
何かと毎回助けてくれたから、私はジョンハンの考えてることがよくわからなかった。

中学の時は、もう色々とメンタルが強化されてたからジスとジョンハンの取り巻きの女子達に
陰口言われたり、物なくされたりしても何も動じなかったっけ、、、。

なんて黙々と昔のことを思い出してると明るい挨拶と共に教室に入ってきた。
担任
はーい!じゃあみんなそれぞれ席についてね~!今から今日の日程やら校長先生からのお話やらを
私から説明するからね~
私は黒板に貼られている座席表を確認して自分の席に座った。
席の位置だけはなんとかジョンハンを離れられて、心の中でガッツポーズをした。
担任が色々と説明した後、自己紹介をすることになった。
何言う?とか緊張する~!とか色んなところでガヤガヤし始めた。
私もちょっとだけ緊張はしている。ちょっとだけ。

次々と自己紹介が終わり、ついにあの悪魔の順番だ。
ジョンハン
ユンジョンハン。よろしく。
そっけなーーーーっ!ってツッコミを入れたいぐらいそっけなかった。
それでもクラスの女子達は「クールな所もかっこいい」とか「顔バリタイプ」とか話している。
どこがクールなんだか、、。と思っていたら、次はジスの番だ。
ジス
ホンジスです。クラスのみんなと仲よくなりたいなって思ってます。よろしくお願いします。
って、最後にはジス特有の微笑みをして座った。
さすがジス~~やっぱ出来る男は違うわぁ~~なんて関心してると、
クラスの女子達が予想通りの反応をしている。

どんどん自己紹介が進んで、次は私の席の隣の人の番だ。
スンチョル
チェスンチョルです!サッカーが好きです!気軽に話しかけてください!
と、元気で明るい自己紹介をする彼は、ジョンハンとジスに負けないぐらい顔が整っていた。
いい人そうだなぁ、、って思っていると、次はいよいよ私の番だ。
あなた

あ、えと、夏樹あなたですっイケメンが嫌いです、よろしくお願いします。!

何を言おうか全く考えていなかったから、本音が出てしまった。
まぁ、お分かりの通り、イケメン=ジョンハン なんですけどね。
そんな強烈な自己紹介をしたせいか、クラスのみんなはびっくりしていた。
特に悪魔さんが。(笑)お前のことだよ~~なんて思いつつ、着席した。

自己紹介は進み、やっとクラス全員が終わった。一安心。
担任
はい!みんなお疲れ様〜!この後は休み時間後学校便りを配布した後すぐに下校なので、
休み時間の間に、交流を深め合っていてくださいね!では一旦終了!
先生の合図と同時に、一部の女子達がジョンハンとジスの席の周りに集まった。
私はその風景がもう見慣れた風景すぎて、何も感じなかった。
さて、どうしよう、、。と悩んでいると、隣の席のスンチョル君が話しかけてきた。
スンチョル
隣の席同士よろしくな!俺のことはスンチョルって呼んで!
あなた

了解、、!私のことも下の名前でいいよ!

スンチョル
うす!じゃあ〜くるみって呼ばせてもらう!
輝かしい笑顔で言ってきたから、眩しい、!!イケメン強し………
って思っていると、
スンチョル
くるみはさ、さっき言っていたけど、なんでイケメンが嫌いなの?
あなた

うわ〜〜一番突いて欲しくないとこ聞いてきたね!えっとね、イケメンっていうのもほぼ人が
決まってて、、、あの〜〜ユンジョンハンっているじゃん、あそこの席の。。。。

ジョンハンの方向に指をさす。
スンチョル
あぁ、あの恐ろしいぐらい顔が整ってる!にしても女子が群がってるな、、笑
あなた

そうそう!で、そのジョンハンと私は幼馴染なんだけどね、あの綺麗な顔とは裏腹に性格がまじでジャイアンだから、イケメンは好きじゃないって言ったの!だから、別に全世界のイケメンが嫌いとかそういうことじゃなくて、、

と私は慌てて説明した。
スンチョル
なるほど、、!でも俺、あの人めちゃくちゃ優しい人だと思うぞ?まぁ直感だけど
あなた

そんなことないよ!本当にジャイアンだもん。私のこと女だと思ってないし、扱いが酷すぎるんだよね

スンチョル
そっかそっか。とりあえずくるみ!これからよろしくな!
あなた

うん!よろしく、スンチョル!

スンチョルと話していたら、あっという間に休み時間が終わって、配布物も配られて、
下校時間になった。



私は、スンチョルと話している時のジョンハンのあの鋭い視線に気がつかなかった。

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