ガラっという音と共に、私達3人は教室に入った。
すると、黄色い歓声がこちらに向かれているのに気づいた。
と、女子達がジョンハンとジスを見てこそこそと話している。
ジスは性格もかっこいいし、優しいし、顔も整ってるから、天使っていうのは分かるけど、、。
優しさの欠片もないし(言いすぎた←)冷たい性格のジョンハンのどこが天使なのか。
まぁ顔は整ってて、俗に言うイケメン、ってやつなんだろうけど。
幼稚園の頃からずっと一緒の私からしたらただの悪魔でしかない、、。
そう、この悪魔と出会ったのは、私が積み木で遊んでいた時だったっけ…。
そう言った瞬間、そのお城を真顔のジョンハンがバラバラに壊した。
悪意はなかったんだろうけど、
幼少期の私はその時、「こいつやべえ」って何かを悟ったのを覚えている。
それからは毎日が地獄だった。
相変わらず積み木は壊されるし、お絵描きの邪魔はされるし、かけっこでわざと転ばされるし。
小学校の頃は、変わらずしょっちゅうちょっかい出されたり髪をボサボサにされたり、、と
でもある時、私がジョンハンのことが好きな女子達に軽いいじめみたいなのをされた時は
何かと毎回助けてくれたから、私はジョンハンの考えてることがよくわからなかった。
中学の時は、もう色々とメンタルが強化されてたからジスとジョンハンの取り巻きの女子達に
陰口言われたり、物なくされたりしても何も動じなかったっけ、、、。
なんて黙々と昔のことを思い出してると明るい挨拶と共に教室に入ってきた。
私は黒板に貼られている座席表を確認して自分の席に座った。
席の位置だけはなんとかジョンハンを離れられて、心の中でガッツポーズをした。
担任が色々と説明した後、自己紹介をすることになった。
何言う?とか緊張する~!とか色んなところでガヤガヤし始めた。
私もちょっとだけ緊張はしている。ちょっとだけ。
次々と自己紹介が終わり、ついにあの悪魔の順番だ。
そっけなーーーーっ!ってツッコミを入れたいぐらいそっけなかった。
それでもクラスの女子達は「クールな所もかっこいい」とか「顔バリタイプ」とか話している。
どこがクールなんだか、、。と思っていたら、次はジスの番だ。
って、最後にはジス特有の微笑みをして座った。
さすがジス~~やっぱ出来る男は違うわぁ~~なんて関心してると、
クラスの女子達が予想通りの反応をしている。
どんどん自己紹介が進んで、次は私の席の隣の人の番だ。
と、元気で明るい自己紹介をする彼は、ジョンハンとジスに負けないぐらい顔が整っていた。
いい人そうだなぁ、、って思っていると、次はいよいよ私の番だ。
何を言おうか全く考えていなかったから、本音が出てしまった。
まぁ、お分かりの通り、イケメン=ジョンハン なんですけどね。
そんな強烈な自己紹介をしたせいか、クラスのみんなはびっくりしていた。
特に悪魔さんが。(笑)お前のことだよ~~なんて思いつつ、着席した。
自己紹介は進み、やっとクラス全員が終わった。一安心。
先生の合図と同時に、一部の女子達がジョンハンとジスの席の周りに集まった。
私はその風景がもう見慣れた風景すぎて、何も感じなかった。
さて、どうしよう、、。と悩んでいると、隣の席のスンチョル君が話しかけてきた。
輝かしい笑顔で言ってきたから、眩しい、!!イケメン強し………
って思っていると、
ジョンハンの方向に指をさす。
と私は慌てて説明した。
スンチョルと話していたら、あっという間に休み時間が終わって、配布物も配られて、
下校時間になった。
私は、スンチョルと話している時のジョンハンのあの鋭い視線に気がつかなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。