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第1話

笑顔に包まれる街
41
2017/12/11 11:13
クリスマスまであと5日。
とうとうこの日がやってきました。
そうです、誰もが楽しみに待っているクリスマスがやって来るのです。
街中のみんなはクリスマスの準備で大忙し。
ただ一人不安そうな顔をした子供がいました。
名前はミクリオ。面倒見が良くてみんなに好かれていた女の子なのですが···
今日はなにかいつもと違いました。
なにか焦っているような表情を浮かべています。「どうしたの?」と聞いたのは友達のカルハナ。友達の中では大の仲良しです。
ミクリオがいつもと違うのがすぐ気づきました。「あのね···。」言い出したのは驚きの発言!それは···「私、今年のクリスマスは何かが足りない気がするの。」と言ったのです。もちろんカルハナはミクリオの言ってることがさっぱり分かりませんでした。「足りないもの?」
「ううん。やっぱりなんでもない。」とその場を立ち去ったミクリオ。「へんなのー。」とカルハナはミクリオの言ったことの重大さに気づかなかったのです。ミクリオはこのことを予言してたかのように言っていたとは···。
クリスマス当日!ついにやって来ました。
みんな待ち遠しかったクリスマスです!
街中のみんなは暖かい気持ちでいっぱいでした。ミクリオはヤベツ公園に向かっていました。ヤベツ公園はこの街の中でもいっちばーん大きい公園でした。ここの公園には毎年大きな大きなクリスマスツリーが飾られるのですが、
今年はなぜか飾られてないのです!!
「やっぱり···。」とミクリオがつぶやきました。まるで引っ張られるかのようにあるところに向かったのです。
そのあるところとは···
なんと?!サンタさんだったのです!
どうしてサンタさんがミクリオを呼んだのでしょうか?
サンタさん:「ふぉっふぉっふぉ、よく来たなミクリオ。」ミクリオ:「どうして私の名前が?」
サンタさん:「わしは今年のサンタを君にやってもらおうと思ってな。」ミクリオ:「え?どういうこと?だってサンタさんはサンタさんがやるんじゃないの?」サンタさん:「すまんのう···今年、ヤベツ公園になぜクリスマスツリーがないか分かるか?それはな···わしが100年に1度サンタさんをやっちゃいけない年なんだよ。」ミクリオ:「どうしてやっちゃいけないの?」
サンタさん:「わしはある魔法使いに魔法をかけられてしまってな···だからサンタのいないクリスマスはクリスマスツリーが飾られないようにされてしまったのじゃ···。」ミクリオ:「魔法?魔法使いって誰?」サンタさん:「クリスティーナだよ。」ミクリオ:「!!!!!!。もしかして、あのスノー屋敷の女王!!」サンタさん:「そうじゃよ。あのクリスティーナがわしをよく思ってないみたいでね···」ミクリオ:「どうして?!」サンタさん:「わしに嫉妬しておったのじゃよ。サンタはみんなに好かれて私は誰にも好かれない!そんなお前が憎くて憎くてたまらない!ってな。それでお前を今から100年に一度お前をサンタじゃなくしてやろう。(ひゃぁーっはっはっはっはっはー)と言って今年がその100年経ってしまったのじゃよ···。」ミクリオ:「そ、そんな。なんてひどいことを。」サンタさん:「そこでじゃミクリオ。ミクリオはわしによく似ておる。遠い空からいつもミクリオを見ていたのじゃよ。いつも人に優しくしてみんなに好かれている。だからわしはミクリオにサンタを喜ばせるためにやってもらおうと思う。覚悟はいいかな?ミクリオサンタ。」ミクリオ:「····。な、何をすればいいの?私になんかみんなを喜ばせることが出来るのかな?」サンタさん:「大丈夫じゃよ!わしがキラキラの粉をかけてあげるから。」ミクリオ:「キラキラの粉ってあの伝説の本物のサンタさんしか持っていない粉!」サンタさん:「ふぉっふぉっふぉ。よく知っておるなミクリオ。この粉をかければサンタのようにみんなにプレゼントを渡すことが出来る。みんなはけっして君をサンタじゃないなどと思うこともないよ。」ミクリオ:「やっぱり私には無理だよ···だって私、サンタさんじゃないのにサンタさんのふりしてやるなんてそんなことできないよ。」サンタさん:「わざわざ君を指名した理由をもう忘れてしまったのかな?君はわしによく似ておるって言ったじゃないか。心が同じなのにサンタをできない分けないだろ?ふぉっふぉっ。(ニコニコ)」ミクリオは決心したのです。こんな経験もう一生できないかもしれない。
みんなを喜ばせたい気持ちは変わらない。サンタさんが私だろうがみんなを喜ばせるのなら頑張ってやってみたいって。ミクリオ:「サンタさん!私、やるよ!その代わり···一つお願いがあるの。サンタさん。」サンタさん:「願い事とはなんじゃ?」ミクリオ:「クリスマスツリーを飾ってほしい!だってもうサンタさんがいないなんて言わせないよ!」サンタさん:「ふぉっふぉっふぉ。、そりゃぁ、忘れておったよ。そうじゃな、もうサンタさんはいることだしな!じゃあ、少し待っておれ。いまサンタがいることを証明してみせるから。そぉーっれ!」なんと!不思議なことにクリスマスツリーがヤベツ公園に飾られています!なんということでしょう!:ミクリオ「どうやったの?サンタさん。」サンタさん:「このスノードームを見てみろ。これはな、わしとミクリオが同じ心の色をしておるのじゃよ。」ミクリオ:「わぁー!ほんとだー!」そうなのです。ミクリオが選ばれた理由もこのスノードームにありました。このことをサンタさんはずーーーっと前から知っていたのです。サンタさん:「さて。もうそろそろ出発の時間じゃよ。この粉をかけて行っておいで。みんなが待っておるぞ~!」ミクリオ:「うん!安心して!私人生でこんなこと初めてだし、これから先もこんな経験はもうないよ!だから、私、サンタさんになる!サンタさんみたいに!」サンタさん:「ふぉっふぉっふぉ。よし、それじゃあ、行くぞ!そぉーっれ。」キランキランキランキランキランキラン。ミクリオはサンタさんになりました。ミクリオは少しの不安と不安よりも大きいワクワクドキドキの気持ちでいーっぱいでした。不安はちょっとしたらなくなり喜ばせたい!!という気持ちに変わりました。サンタさんはミクリオの頑張っている姿に微笑ましく思い、最後まで見守り続けました。クリスマスツリーは街中の人を笑顔にし、ミクリオは···いいえ違います、サンタさんは子供たちを笑顔にしました。



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