男はとても優しい人で、あなたが学校の話をしても「うんうん」と優しく口答えをしてくれた。
でもあなたは今、死を覚悟して生きている。
もう少し、ここに居てもいいかなと思っていた時、急にベッドに押し倒された。
「もう少し、危機感持とぉ?…」
『へぇっ?…』
男はそういうと血がついた包丁をあなたに向けてきた。
『けいさんっ…?…』
男はあなたを罠にハメるための人だった。
「へぇ〜…包丁向けられてもビクともしないんだぁ〜…じゃあ…刺しても怖くないよねぇ〜?」
死を覚悟したその時、ドアから3人くらいの男が入ってきた。
3人の中の1人が男に向かってこういった。
「殺すのは4人でだろ?」
3人の手には包丁があった。
もう殺される…そう思った時であった。
男は突然服を脱ぎ始めた。
上半身裸になると、背中にある傷口をみせた。
深い傷口だった。
あなたは心配して、いつも持っている包帯を巻いた。
『けいさん…駄目ですよ…傷を放ったらかしにしちゃ…』
男は黙ったまま3人が居る方をずっと見ていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。