第2話

出会い
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2017/12/12 10:18
ヒピピピッ


朝を知らせるケータイのアラーム音が鳴り響いた。
あなた

(んん〜、眠いなぁ・・・)

まだ正常に動いていない脳を一生懸命動かして起きる。
朝食をすませて、学校に行く支度を始める。
いつもよりワクワクする理由は、今日から高校生になるからだろう。
クローゼットにかかっている新しい制服に手をかける。うん、可愛い制服を選んで正解だった。
私が受験した学校は制服が可愛くて受験者が多く、
倍率がかなり高い高校で、私はその制服が着たくて
中学生活をかけて勉強した。
おかけで恋愛経験はなしである。
まぁ、これからの高校生活で青春してやると
心に決め、新しいバックを背負いいざ学校へと
進んだ。



*******
電車で乗って学校に行くのだが、朝なのでとてつもなく混んでいる。
あなた

(覚悟してたけど、やっぱ満員電車はきつい・・・。)

ガタンガタンと揺れる電車で必死に吊革にしがみついていた。
すると・・・
あなた

(なんか・・・お尻に変な違和感が・・・)

予感は的中、なんと私は痴漢されていたのである!!

嘘でしょ!?高校生活スタートと同時に痴漢なんて・・・。不運にも程があるでしょ!?

てか・・・どうしよう・・・。

痴漢なんて私には初めての経験で、どうしたらいいか分からないまま降りる駅の一駅前まできた。
あなた

(誰か助けてっ・・・)

すると、
マサイ
おい、いい歳して女子高生に痴漢してんじゃねーよ。
声がした方を振り向くとそこにはとてもカッコイイ青年がいた。
その青年は、がっと痴漢者の手をつかみ私から引き離した。
痴漢者は、言い訳を吐きながら逃げていった。
お礼を言おうと思い青年がいた方を向くと、
もう青年はどこかに行ってしまったらしい。
あなた

(お礼・・・言えなかったな)

だが、確か私の行く所の制服のはずだ。
もしかしたら会えるかもしれない。
会えたらいいなと、心を少しはずませながら
学校へ向かった。


*******
学校につき、教室を確認するともう皆集まっていたようだ。
もう女子はグループ分けを始めそうである。
シルク
もしかしてお前・・・あなた?
突然声をかけられ、とてもびっくりしたが
振り向くともっとびっくりする人物がいた。
あなた

もしかして・・・シルク!?

そう、そこには私の幼馴染で中学生のときに離れてしまったシルクが立っていた。
シルク
久しぶりだな!
私は、中学に上がる前に引っ越してしまった。
毎日のように遊んでいて
兄弟のようだったシルクとの別れは
当時の私にとっては辛い出来事だった。
そのシルクが一緒の学校なんて!!
あなた

何年ぶり・・・くらいだよね!

シルク
そーだなぁ、お前も変わったよな!前までは泥の中を走り回ってたのに、今ではもう、the・女子っ!って
感じだな!
あなた

シルクこそ!前まではあんなにちっさかったのにー。

シルク
ちっさい言うんじゃねー!
するとシルクの背後から大きい人がのそっと入ってきた。
ンダホ
おいシルク!お前なぁ、まさか入学初日からナンパなんて・・・。
シルク
ナンパじゃねーよ!
俺の幼馴染だ。
ンダホ
お前、こんな可愛い幼馴染いたなら教えてくれればよかったのに!!
俺ンダホ!よろしくな!
あなた

どうも!あなたです!

シルク
てかマサイとモトキは?
ンダホ
モトキは違うクラスで俺と一緒。で、マサイかお前と一緒のクラスらしい。
ん?今さらっと別のクラスって・・・。
シルク
お前自分のクラスへ帰れ!
ンダホ
ちょっと顔出しに来ただけだって〜!
じゃあな!シルク!バイバイ!あなた!
あなた

じゃぁねー!

お友達が一人増えたなぁ!
しかも、シルクとも友達の人だし!
シルク
あともう一人、俺と仲いい人が同じクラスらしい。
あなた

あぁ、マサイてって人?

ンダホの会話ででてきた人だよね、どんな人なのかな・・・。
すると、ガラガラと教室のドアが開いた。
中に入ってきた人は、なんと痴漢されていた時に助けてもらったあの青年だった!
シルク
よう、マサイ
遅かったな!
マサイ!?シルクのお友達の!?
いやぁ、偶然ってあるものなのね・・・。
・・・てか、電車で見た時も思ったけど・・・カッコイイなぁ。
マサイ
おう、ちょっと色々・・・って!お前!
あなた

あ!あの時は助けていただきありがとうございました!!

シルク
何!?お前ら知り合い?
マサイ
いや、電車でち・・・
とっさにマサイの口を抑えて
あなた

ち、地下鉄間違えちゃって!助けてもらったんだ!

流石に痴漢されてたのを助けてもらったなんて恥ずかしいことをシルクには知られたくないので、隠した。
マサイ君も嘘に乗ってくれて良かった・・・。
マサイ
俺マサイ!改めてよろしくな!!
あなた

私はあなた!こちらこそよろしくね!

お礼も言えたし、お友達になれたし、良かったなぁ・・・。
これから、高校生活が楽しみだと改めて思った。
続く
モトキ
あれ!?俺だけ出てなくね!?

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