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第5話

二人三脚
431
2018/01/07 04:41
学校へ入学して早2ヶ月が経った。
この時期といえば、やっぱり体育祭だ!
私が楽しみにしている行事ランキングで2位に
入っている。
先生
これから、二人三脚のペアを決めるぞー。
あなた

(二人三脚か・・・運動できない私に出来るかどうか・・・)

そう、私は根っからの運動音痴である。
体育の成績は毎回最悪で、徒競走は毎回ビリ。
なのにも関わらず体育祭が好きなんて、変わってるとは自分でも思う。
先生
男女問わずくじ引きで決めるから、くじを引きにこーい。
あなた

(えっ?もしかしたら男子となるかも知れないってこと!?)

嫌だなぁ、男子と・・・。迷惑かけたらなんか言われそうだし・・・。
恐る恐るくじを引いた。
まだ、結果はわからない。
先生
じゃあ今から皆で数字が同じ人を探して、探せたらその人がペアだ。ペアがわかったら報告するように。
私は、15番だ!誰だろ・・・。
いろんな人がペアを組み始めた。
キョロキョロと、当たりを見渡していると
マサイ
あなた・・・もしかして15番か?
あなた

もしかして・・・マサイも!?

自分のくじ運を信じた私が馬鹿だった。
でも、マサイならいっか。
マサイ
よろしくな!
あなた

うん!こちらこそ!

*******
体育の時間、練習が行われた。
あなた

(ち・・・ちかい/////)

まぁ二人三脚なら当たり前だろうけど、
流石にこの距離は恥ずかしい・・・。
体がぴったりとくっついている。
マサイ
じゃあ、動こーぜ。
あなた

う、うん

1 2 1 2と、二人声を揃えて歩き出す。
ちらりとマサイの方を見ると、
なんだかいつもと変わりない。
・・・なんだか、私だけが気にしてて恥ずかしいというか・・・意識してもらってなくて悲しいというか・・・
なんて考えていたら、
あなた

わっ

マサイ
っ危ない!
グラッとふらついてしまい倒れそうになった。
咄嗟に目をつむって、衝撃を待ち構える。
ところが痛くない・・・
目を開けると
マサイ
いてて・・・大丈夫か?あなた
あなた

マサイ!?

私を守ろうと咄嗟に下になってくれたようだった。
あなた

ごめん・・・大丈夫?

マサイ
こんなの平気だから!気にすんなって!
あなた

でも・・・

私の不注意で、マサイが痛い目にあってしまった。
マサイ
じゃあ、あなたが気がすまねぇならまたお菓子作ってくれよ!それでチャラってことでどう?
あなた

そんな事で良かったら何個でも作る!

マサイ
よっしゃっ!じゃあまた練習しよーぜ!
あなた

うん!今度は倒れないよう頑張ります!

マサイ
おう!
マサイが優しくて本当に良かった・・・。
練習は、順調に進みしっかりと歩けるようになった(多少はふらつくが・・・。)
それから私は、マサイにお菓子提供をすることになった。
いつもいつも喜んでくれて、作る側としては本当に嬉しい。
そして私は、確実な足どりで恋に落ちていった。

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