学校へ入学して早2ヶ月が経った。
この時期といえば、やっぱり体育祭だ!
私が楽しみにしている行事ランキングで2位に
入っている。
そう、私は根っからの運動音痴である。
体育の成績は毎回最悪で、徒競走は毎回ビリ。
なのにも関わらず体育祭が好きなんて、変わってるとは自分でも思う。
嫌だなぁ、男子と・・・。迷惑かけたらなんか言われそうだし・・・。
恐る恐るくじを引いた。
まだ、結果はわからない。
私は、15番だ!誰だろ・・・。
いろんな人がペアを組み始めた。
キョロキョロと、当たりを見渡していると
自分のくじ運を信じた私が馬鹿だった。
でも、マサイならいっか。
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体育の時間、練習が行われた。
まぁ二人三脚なら当たり前だろうけど、
流石にこの距離は恥ずかしい・・・。
体がぴったりとくっついている。
1 2 1 2と、二人声を揃えて歩き出す。
ちらりとマサイの方を見ると、
なんだかいつもと変わりない。
・・・なんだか、私だけが気にしてて恥ずかしいというか・・・意識してもらってなくて悲しいというか・・・
なんて考えていたら、
グラッとふらついてしまい倒れそうになった。
咄嗟に目をつむって、衝撃を待ち構える。
ところが痛くない・・・
目を開けると
私を守ろうと咄嗟に下になってくれたようだった。
私の不注意で、マサイが痛い目にあってしまった。
マサイが優しくて本当に良かった・・・。
練習は、順調に進みしっかりと歩けるようになった(多少はふらつくが・・・。)
それから私は、マサイにお菓子提供をすることになった。
いつもいつも喜んでくれて、作る側としては本当に嬉しい。
そして私は、確実な足どりで恋に落ちていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。