第5話

☺︎
160
2018/01/30 14:12
合唱コンのクラス曲は、

“はばたこう明日へ”に決まった。


「なんか、まだ2年なのに卒業みたい〜」

って声もちらほら聞こえてきますが。


だって選択肢のほとんどが卒業っぽい曲なんだもん。

他のクラスは、“YELL”とか“この地球のどこかで”だったりする。



あ、ちなみに私達はB組ね。





「はばたこうってなんか翔みたいじゃない?」

屋上で翔とお弁当を食べている時、私は言った。

「んーそれ俺もちょっと思った。笑」

「みんなもそう思って決めたのかな。」

「それはないだろ。さすがに。」

まあ、そうか。

「俺の名前さ、空に翔び立つみたいに自由に生きろっていう意味なんだって。」

「まさに翔だね。自由だし。」

すると、

「それなんか、マイペースみたい。」

ちょっと怒った顔で翔が言う。


「ごめんごめん。良い意味でだよ。」

私は卵焼きをぱくつきながら謝る。



「あー楽しみだな。合唱コン。 俺ら絶対金賞だよな。」

翔はおにぎりを食べながらそう言う。

そのおにぎりは、私が朝作ったもの。


毎朝、翔のお弁当も作ってあげてる。


「もちろんだよ。絶対獲れるって。」

「俺もそう思う。笑」

「翔の指揮にかかってると思うけどね?」

「それも思う。笑」


昼休み終了5分前のチャイムが鳴った。

「戻るか。」

「そうだね。」

「今日も美味かった。ご馳走さま。」

「どういたしまして。」


2人並んで、屋上を出た。

プリ小説オーディオドラマ