第2話

☺︎
189
2018/01/06 14:41
昨年の夏。

「凛華、俺と付き合ってください。」

屋上に呼び出されて、翔にそう言われた。



「はい。」



幼馴染だった私達は、恋人になった。









物心ついた時から、私達は一緒にいた。

家は斜め向かい。

毎日2人で遊んで、たまに大工だった翔のお父さんがおもちゃを作ってくれたりして。

最後に作ってくれたのは、手作りのバスケットゴールだった。



「ねぇママ、翔くんのパパどこに行っちゃったの?もうすぐ帰ってくる?」

「凛華。翔くんのパパはね、お空に行ったのよ。もう、ずっと帰ってこないの。」


翔のお父さんは、私達が4歳の冬、建設現場で事故が起きて亡くなった。

翔がずっと泣いていた姿を、今でも鮮明に覚えてる。

私が守ってあげなきゃって思ったのも。



私はずっと翔のことが好きだったけど、翔が私のことをどう思っているのかはわからなかった。


だから翔から告白してくれたのは、本当に、本当に嬉しかった。

プリ小説オーディオドラマ