第14話

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2018/09/17 05:04
「「1、2、3!」」

翔が担架に乗せられる。

私も救急車に乗った。

翔は相変わらず苦しそうで、呼びかけても反応がない。

酸素マスクがつけられる。


私はずっと翔の手を握っていた。


救急隊の人が私に言った。

「名前を教えていただけますか?」

「藤崎翔です。」

「年齢は?」
「17歳です」

「住所は?」

「えーと、〇〇区××町…番です。」

「親御さんはいらっしゃいますか?」

「あ…はい。私、連絡できます。」


急いでおばさんに電話をかける。

呼び出し音がやけに長く感じる。

本当は5回くらいだ。


『もしもし?凛華ちゃん?』

『おばさん!』

『どうしたの?私仕事中で。』

そんなのはわかっている。

『翔が倒れた!救急車に乗ってます』

『…え?』


「繋がった?」

救急隊の人が言う。

私は電話を代わった。
『もしもし、藤崎翔さんのお母様ですか?』
『これから××病院に向かいます。…』

話している間、翔は他の人に処置をされていた。

見たことのない器具を身体に取り付けられ、翔の周りはいろんな線が絡まっていた。

「翔!翔!翔…!」

私は病院に行くまでずっと彼の名を呼び続けた。

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