第2話

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2017/12/13 06:11
中「っ!? おい!」










淳太様の声が聞こえた










でも、俺は止まらずに走る










綺麗な愛なんて、気にしない










世界が軽蔑しようと、










この想いを遂げる










汚れた愛でも、気にしない










ただ、狂いそうなくらいに、










お嬢様、貴女が欲しいだけ、










ただ貴女だけを…










お嬢様の手を握り、屋敷を駆け抜く










小「っ、ハァ、」










ドアノブに手をかけたまま、










立ち止まった










ノブを握りしめたまま、










戸惑いが生まれた心










お嬢様の方を見た










お嬢様は、










淳太様から貰った薬指の指輪を抜き捨て










口を結び、頷いた










お嬢様の黒目がちな瞳が、










『ついて行くよ』










と覚悟を告げていた










その姿を見て、










さっきまでの戸惑いは吹き飛んだ










俺も頷き、ノブを捻り










外へと飛び出した










この時の為に用意しておいた、










いつもより何回りも小さい軽自動車










2人で乗り込み、エンジンをかけた










あなた「ねぇ望、」










小「お嬢様、ベルトをなさって下さい」










俺はお嬢様がシートベルトをしたのを確認して、










小「しっかり掴まってて下さいね、」










アクセルを踏み込んだ










後ろから来た追手を振り切るように










お嬢様、貴女に出逢って初めて、










愛の意味を知った









それを言うこともできる










2人なら、もう何も怖くなんかない










叶わぬ愛?










そんなのは無い










誰が何を言おうと、










この熱は消えたりしない









貴女への愛を止めることはできない










これは、命を懸ける愛なんや、










理屈なんて無い










これが多分、運命やったんや




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