第4話

違和感
5
2017/12/14 07:25
カジ
そういえば其方は
何用で此処へ?
雪景色以外、
目ぼしいモノは何も無いはずじゃが
カジが思い出したように字等に問うと、
字等は少し考え、しかしやはり思い出せなかった。
字等 叶
字等 叶
任務でココに来たのは確かだが
内容を思い出せねんだよ…
あなた

カジ
あぁ、それならたぶんー…
あなた

ねぇ!

何かを言いかけたカジの声をかき消すかのように、あなたが大きな声を出して字等を呼んだ。カジはそれをなんとなく予想していたかのように静かに黙った。

字等は一瞬違和感を感じたが、耳を貸してやる事にした。
字等 叶
字等 叶
なんだよ?
あなた

あなたの名前はなぁに?
まだ聞いてなかったでしょ?

確かに。
色々言いたい事はあるがまずは自分の名前を名乗っておこう。普段は簡単に名乗るのもイヤだが、命の恩人であるあなたに名前を教えないのもおかしな話だと思った。
字等 叶
字等 叶
字等 叶(あざら きょう)だ。
字等でいい。
あなた

ふーん、アザラシ…

字等 叶
字等 叶
字等だっつってんだろ
初対面の男に対して飄々とした態度のあなたに少し腹が立つが、ここは男として耐えてやる事にした。

しかし字等はあなたを見る度に思うことがあった。

あなたは、
何かを隠している。ーーー

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